かぶら杉の家

道路整備によって様相を変えつつある町、吉岡。この家はその新しい道沿いに建てられた。このあたりは大型店舗の進出や分譲地の開発が進み、交通量も格段に増加している。 建設地は道沿いとはいえ、間にある生家の畑がバイパスとの緩衝となって、利便性を持ちながらも閑静な住環境と言える。

施主がイメージしていた家は、新しい和のカタチを持っていること。それは様式的なことではなく、また構法や素材といったハードな要素だけでもない。 「和」の持つ温かさ、懐かしさ、自然を上手に取り込む知恵……。 家族とのふれあいや、時間の過ごし方、勿論、空間の表現等をも含めて、現代のライフスタイルに対応する「新しい和」のデザインである。

「かぶら杉」の架構を見せるエントランスの吹き抜け。居間の中にある畳の座。IHを食卓にビルトインさせたダイニング。 第二の茶の間であり、親と子が共有する書斎でもある階段上の何気ないスペース。 プライバシーを保てる最小限度の個々のスペースを確保しながら、広がり感のある空間構成。 浴室もハーフユニットと檜を組み合わせ、機能とアメニティを満足させている。 子供たちが成長する年月の中で、飴色に変わる床。柱の傷。生成の風合いを見せていく白壁。

平面図

……私たちの「和」の提案である。

施主との出会いはオープンハウスでした「MINKA」。その時には既に、某建築家との打ち合わせが進んでいて、 (それはウェブ上の設計コンペで選ばれた設計事務所なのですが)私たちへは、競作という条件での依頼でした。 結論的には……築後十数年経過した家を比較して、決められたとのことです。

歳月を経て色褪せぬデザインって、大切だと思います。例え、流行にシンクロしなくても……。

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