やりたいけど、できないこと

カテゴリー:[建築のプロらしく語る]

宇都宮にある工務店の5代目社長Y君のブログに、「やりたいけど、できないこと」っていうのがある。Y君とは、もうひとりのY君(オスト社)の評価(優)のarchitect builder。北関東ネットワークつながりで、ボクらとも信頼(大)の仲間である・・・友達の友達は・・・類友なのかも知れない。さて、ボクらの仕事って(ケンチクといっても)個人の家をつくらせていただくという(ごく狭い範囲での)仕事が主だから「やりいたいけど、できないこと」あるいは「やってはいけないこと」・・・その「一線」で逡巡することってケッコウ多い。
一応、まがりなりにも「architect」のはしくれだと思っているから・・・尚更。
慎重になりすぎるのも良くないのだが、長くやってると「ヤバイな」って思うデザインは避けて通るようになってしまう・・・ウーン??難しいトコロだ・・・。
事務所
そのひとつに「トップライト」がある。メッチャやたらにあればいいってモノではないが・・・
「ここには欲しい・・・」ってプランに、必ず遭遇する。事務所なんぞは、屋根の棟の部分がガラスルーフになっているから・・・ロフトに寝転んでカラス君とガラス越しに交信したり、流れる雲を無心に眺めたり・・・で、癒し効果も(多)なのである。反面、凄まじい暴風雨の時には「室内で傘を」なんてこともあったし、温暖化傾向の中で迎える夏場は灼熱の地獄編!!

厄介なことに「天窓」ってやつは、どんなに気を使って施工しても(ごく低い確率だが経年劣化で)不具合が出てくる。それも10年過ぎたあたりから・・・。HMさんのように「保障期間過ぎてますから」とか、建築家のように「施工責任ないから・・・」って言えないのが地域ビルダーの辛いところ。・・・内装の手直しまで(無償で)責任を負うことになる。

このところ「建築家とつくる家」っていうのが評判のようで、我が国の住宅事情も(デザイン性の面で)著しくスキルアップしている。家づくりの「ヌーヴェルバーグ」みたいな・・・ポストモダンのそのまたポストみたいな・・・斬新で前衛的なデザインが目を引く。そこには、住宅の既成概念を超える大きな可能性(?)も秘めているように思える。
ただ「トップライト」ひとつとってみても、アトリエ系事務所の仕事を見ていると、フラットルーフに近い緩勾配の屋根にも平気でつけちゃったりして・・・(あれ?仕様書にも3寸5分以上って但し書きなかったかなって)ちょっと、心配。まさか、施工責任がないから「あとは運任せ、工務店任せ」なんて・・・そんなコトはないと思うのだけれど。

家って・・・人が住まうためのケンチクだから「安心・安全」が基本にあって、構造耐久性やメンテナンス性を無視してデザインすることはできない。素材にも配慮したいし、温熱環境だって大切。雑誌に掲載する「被写体」としてイイかどうかよりも、住んで「ナンボ」、暮らして「ナンボ」のものなのだから。それに、住まう人に配慮されたデザインって・・・やはり、美しい。

住まう人への(様々な)配慮が見られない設計は、例えデザイン的に優れていても、(?)なのです。現在のように、建築家が(かくも多く・猫も杓子も)住宅に関心を持ち、関わる時代になって・・・確かに、デザイン性は大きく向上したと思います。住宅建築の(様々な意味での)可能性も広がっていることも事実です。ただ・・・長いスパンでの「地域からの信頼」の大切さと、この仕事の「責任の重さ」を忘れてはいけないと思います。「やりたいけど、できないこと」って、確かにあるのです。Y君の工務店は、創業100年を超えるそうです。

群馬に家を建てるなら、ばうはうす ばうはうす : 2007年4月某日

コメント

マサニ仰るとおりですね。スウェーデンには天窓をつけている家が非常に
少ないンですよね。かのVELUXはお隣の国デンマークが本社なのに・・・
『自立循環型住宅』マニュアルには天窓の勾配は3寸5分以上は正圧になり
排熱効果が得られないとありました。結構びっくりでした^^

投稿者 ヨシダデス+   +   +   吉田登志幸 : 2007年04月12日 08:14

あれ、私の名前が。

狭小変形敷地の多い日本では、法規上の採光の確保からも、天窓を使わざるをえないことが多いんですよね。ほんとは使いたくないんですけど、出来上がって暗いといわれると、
直しようがないんで、付けることも多い。

おっしゃるとおり、10年を過ぎたくらいで、雨漏りすることもありますよね。

投稿者 ヨシダクラフト : 2007年04月12日 11:00

Y君&Y君、コンニチハ!!ブログ始めて一年経過です。たまには仕事のことも・・・と意識はしているのですが、以外のことにも興味がありすぎて・・・。先日もプロデュース会社の主催で建築家とミーティング。アフターファイブにでたワインに未練を残しながらも東京ドームに・・・ライブのチケットがありましたので・・・。誰のライブ??年甲斐もなくって言われそうだから・・・ヒ・ミ・ツ。

投稿者 tama : 2007年04月12日 16:52


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