一町一家
荒井さんの「MTハウス」が新建築住宅特集に続き、今月号のニューハウスに掲載されている。
この住宅は、18坪の狭小地に建てられた3階建ての住宅。コストを抑えるため,RCではなく構造用集製材による木造ラーメン構造(SE構法)での建築。厳しい敷地条件下でも空間の自由度が高いことと、優れた耐震性がこの構法のメリット。門型フレームによる店舗建築(草津町・どんぐり)の実績を持つ荒井さんとは、この工法の可能性について(度々)話してきた。
ここで本題の「一町一家」の話となる。
「一町一家」は、プロトハウスのニュープロジェクトで、SE構法を共通言語とした(地域風土・環境に適した)住まいづくりの運動である。注目するのは、建築家とビルダーとの(よりベターな)連携のカタチを意図していること。そのための(意思疎通を図るための)ひとつの方法論として、一定の構法を共通言語にしていることにある。
建築家のデザインや考え方をビルダーが共有しないまま、工事が遂行されることには疑問が残る。
また(施工責任を言うまでもなく)構造耐久性・メンテナンスへの配慮に関しては、ビルダーの意識の方がよりシビアである場合もある。「桐生の住宅」の施工を辞退した理由のひとつも、そこにあった。要は(意匠・構造・素材)のバランスなのだと思う。限られた予算を、どのように按分していくか・・・それは、ボクらが先ず直面する、大きな課題。
ゼロサム(アチラ立てれば、コチラが立たず)なのだから、すべてをクリアすることはできない。それで、とりあえず60点(及第点)の住まいづくりを心がけているのだが・・・。
だからと言って、「既成部材に頼りすぎる」との建築家の指摘には、素直に耳を傾けよう。
荒井さんとの付き合いも、かれこれ10年近くになる。残念なことに、まだ仕事上で提携させていただいたことがない。今回の「一町一家」のプロジェクトを機に、コラボが実現できればステキなことだと思う。デザインにおいては、「共通の言語」で語れるケンチク仲間であるのだから。


