日本の森が育む素材のこと ──かぶら杉──
南牧を源流とする鏑川(かぶらがわ)。 その中流域(下仁田近辺)には、県内でも有数な人工林が広がり、杉(スギ)・檜(ヒノキ)等の優良な木材を産出している。 いわゆる「かぶら材」ブランドである。
私たちの木造軸組構法の家は、現地の製材所で加工された「かぶら材」を直接に仕入れて、構造躯体から内部の仕上げまで用いている。 今流に言えば「トレーサビリティ」つまり、顔の見える住まいづくりと言うことになる。 何より良材がリーズナブルな価格で、しかも要求するほとんどのサイズを無垢材として提供してくれる。
製材所の貯木場を覗いてみれば、5間(=30尺≒9m)もの梁材が取れる原木がゴロゴロしている……と、TeamBAUの棟梁も感激!!
私たちが製材加工をお願いしているのは小井土製材さん(ブログでも書いたことがありますね)。 日本バウビオロギー研究会主宰の 石川先生(前橋工科大)のお墨付きで、じつは小井土製材も(ばうはうすも)メンバーです。 小井土製材さんでは、端材のすべてを再資源化しており、その企業としての姿勢(環境への取り組み)にも共感できる。 まだコマーシャルベースに乗るまでには至っていないが、化石燃料に依らない乾燥工程の研究も進めているエコ・カンパニー。
再資源化の一例としては、炭の建築資材を生産している南牧の「イシコー」さんの原材料として、ここの杉皮(チップ)が供給されている。 他に、杉皮の再利用としては、自然素材系断熱ボード(外貼り用)として製品化している例もあり、群馬でも、今後の更なる研究が望まれるところだ。
4面背割り
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小井土製材では、杉の柱に4面の背割りを施して出荷している(通常は2面)。 木造建築では木材の表面(化粧面)の乾燥割れを防ぐために、一般的に背割り加工を行う。 背割りによって、構造強度はある程度低下するが、(許容できる範囲内で)より精度を安定させるための方法。 乾燥は自然乾燥の上、低温蒸気乾燥で含水率を15~20%の範囲に抑えている。
新月伐採、葉枯らし乾燥、天乾……林業家・製材業者・建築家・地域の工務店のネットワークを構築することによって、より良い環境づくりを常に考えていく努力も必要だと思う。 「木の家に住むということは、森に住むということ」……って、誰かが言ってました。(俺だっけ?)
▲[このページの先頭にもどる]▲小井土製材
鏑川(かぶら川)の源流、南牧附近では、ミズナラや木楢(コナラ)などの広葉樹を主とする天然林です。 そして、かぶら杉産出の中流付近は、群馬県内でも民有林・国有林を併せて人工林面積の多い地域なのです。 この写真は、冬に撮影したので、山裾付近から山頂に向かって、杉(スギ)や檜(ヒノキ)が植林されているのが判りやすいと思います。 枯れて山肌が見えるところは、広葉樹です。
TeamBAUのボス、表敬訪問する
空に向かってまっすぐ伸びる「かぶら杉」。 下枝落としや間伐を繰り返して、スギは大きくまっすぐに伸びていきます。 山の人に聞いてみたところ、「このまえ伐採したヤツは、70年前にオレのオヤジが植えたんだい」とのこと。 その山人も当時すでに齢84歳……のオヤジさんだったら──超100歳(!!)。 山の斜面を軽々と……その身のこなしは牛若丸かっ!? って感じに飛んでおられました。 もしかしたら、天狗なのかもしれません。
写真程度の丸太で推定70~80年。 一緒に写っている方は、小井土製材の小井土専務。 林業家が受け継がれるとき……スパンの長さには、脱帽です。 ばうはうすの家も、そうあってほしいと願って創り続けて出会えた「かぶら杉」です。
製材所の風景、その画面左端に見えているおがくずの山は、エリンギ栽培に使用したり、家畜小屋に敷かれたり、杉皮はチップ化されて建築用炭の原材料となるのです。 端材なんてただのゴミだった時代はもう……昔のことのようです。
- 小井圡製材株式会社
- 群馬県甘楽郡下仁田町大字東野牧2470
- 小井土製材株式会社
- 群馬県甘楽郡下仁田町大字東野牧2470
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