01:コピーライター O氏からのお手紙
居間に寝ころんで、天窓を流れる白い雲を見ていたら、「過ぎていくのは雲か、私か」という誰かの言葉が、ふと頭に浮かんできました。 まだ築3年の新しい家に住んでいて、ときどき前の家のことを思い出します。何ということのない家でしたが、そこに暮らした30年という歳月が築いたものは、やはりかけがえのないものだったのでしょう。 食堂のほの暗さ、狭ささえもが懐かしいのです。そこには、私たちの家族の生活が染み込んでいたのですから。もし前の家が、がっしりとした躯体をもっていたら改築も考えましたが、それもかないませんでした。 だから、新しい家に建て替えるときは、まず第一に、古びていく歳月が永く楽しめる家を、と思いました。それは丈夫な家ということだけではありません。
「私の家」としての色や表情や、あるいは漂う空気さえもが、時に洗われて確かな年輪を刻んで欲しいという願いです。 ・・・・・・(中略)・・・・・・ 私の家はバウハウスによって建てられました。 「何故、バウハウスで・・・」と聞かれれば、ここで建てられる家の基本性能の確かさを前提とした上で、「デザインへの共感」そして、「上質な素材への共感」であると答えましょう。







