02:懐かしき丘の上。


美しく老いる。 誰もが願っているが、 そう安易くは 実現しそうにないこと。 だが、それが家のこととなれば、 話は違う。 風雪がしみ込み、 年齢が刻まれる 素材を多く選んで しっかりと建てれば、 家は美しく古びていくからだ。 いつになっても 新しそうな顔をしている家は、 古びの表情が見えない家は、 歳を重ねても 大人の顔を持てない人間に似て、 少し 哀しい。 小高い丘の上に立つ 米杉板張りのこの家は、 まだ若い。しかし、 陽が上り、 日が沈む日毎に、 四季がめぐる年毎に 微妙に、 自然がくれた変化を取り込み、 あたかも一本の木のように その丘に根を下ろしていくだろう。 そして、いつか その土地のランドマークとなり 古き、 良き、 懐かしき顔を持つだろう。 家は住む人だけのものではない。
08:薪をくべる。
07:ホワイトクリスマス
06:夜の茶会。
05:インナーブリッジ。
04:風は榛名より。
03:図書室。
02:懐かしき丘の上。
01:借景、そして我が庭。

text by Mr. Koun
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